
〜その裏にある“意外な本音”と心理構造〜
「彼、奥さんとはもう気持ちがないって言ってたのに…」
「本気なら、なんで離婚しないの?」
不倫の関係にあると、こうした“矛盾”に直面することは少なくありません。
彼の言葉を信じたい気持ちと、現実の行動が伴っていないことへの不信感。
そのギャップに傷ついたり、自分を責めたり、堂々巡りの悩みにハマっていくことも。
でも、実はこの“離婚しない”という選択には、彼なりの「理由」があります。
それは“愛”や“誠意”の問題だけではなく、「無意識の防衛反応」や「思考の癖」が絡んでいることがほとんどなのです。
【理由①:現実的な責任から逃れたくない】
男性にとって“離婚”は、人生の大きな構造を一度壊すという覚悟を伴います。
家、子ども、親族、世間体、財産分与…そしてなにより「自分が悪者になることへの恐れ」。
多くの男性は、「家庭を壊すこと=自分の評価を下げること」だと無意識に思っています。
だから、「気持ちは離れている」と感じていても、表面的には“家族の責任”や“父親の役割”にしがみつこうとするのです。
【理由②:「本気になるのが怖い」=自信のなさ】
実は、不倫をする男性の多くは「自信がない男性性」を抱えています。
傷つくこと、責任を取ること、正面から誰かを幸せにすると覚悟することに、恐れがあるのです。
だから、新しい関係(=あなたとの未来)を本気で選ぶことができません。
それは「奥さんを愛してるから」ではなく、「自分が傷つくのが怖いから」。
ある意味で、とても自己防衛的な理由です。
【理由③:「家庭」と「恋愛」を別物として分離している】
男性は「役割で感情を切り替える」傾向が強く、家庭”は「守る場所」、不倫関係は「癒される場所」と、意識的・無意識的に切り離している人も少なくありません。
本人の中では「両立してるつもり」でも、女性側から見れば「どっちつかずで不誠実」に見えるこの構造。
でもこれも、彼が何かを“計算してる”というより、「自分の中の葛藤と向き合いきれてない」状態なのです。
脳科学的に見ても、男性が「不倫をしつつ家庭も維持する」という状態は、脳内の異なるシステムを同時に使っている状態なので、本来は長期的に両立し続けるのは非常に難しいといわれています。
【① 家庭を守る=“社会的責任”系の脳】
こちらは主に「前頭前野」や「帯状皮質」など、合理的判断・未来予測・社会的役割の維持に関係する領域が働きます。
→ 家庭の維持、父親としての責任、仕事と両立などを考えるときに使われる。
【② 恋愛や不倫=“快楽・感情”系の脳】
ここでは「扁桃体」や「報酬系(ドーパミン回路)」が主に働きます。
→ ドキドキする、不確定な刺激に惹かれる、恋愛の高揚感を感じるのはこのシステム。
💡なぜ“本気で家庭を壊してまで不倫相手を選ぶ”男性は少ないのか?
それは、①の脳が発火し始めると②の快楽系が一時的に抑制されるという脳内の仕組みによります。
つまり:
- 「仕事」「家族」「世間体」「子供の将来」などが脳に強く浮かぶと、
- 「恋愛の高揚感」や「不倫関係のスリル」などの報酬系は、一時的にトーンダウンします。
このため、「不倫相手に本気」と言いながら、「でも離婚はできない」とブレーキをかけるのは、心理的矛盾ではなく、脳内の処理系統がそもそも分かれているからなんです。
男性の脳は「同時並行的な感情処理が苦手」な構造を持っています。
だからこそ、「家庭と恋愛の間でバランスを取る」という高度な自己内統合ができていないまま、
どちらかに偏ったまま矛盾を放置してしまう人が多いのです。
不倫する男性が「家庭は壊したくない」と感じるのは、「誠実だから」ではなく、脳的にそう“思考が切り替わってしまうから”。
だから、「最初から本気であなたを選ぶつもりはなかった」というより、「本気になろうとしても、①と②の脳回路が同時起動できない」ために、本能と理性の板挟みでフリーズしてしまっているというのが、脳科学的な背景です。
なんで離婚するとか嘘つくの?

【① その場をうまくやり過ごしたい“防衛”本能】
男性にとって不倫関係は、「バレないなら続けたい」というのが本音なことが多いです。
でも女性側が「奥さんと別れるつもりがないなら関係をやめる」と言った時に、自分の快楽や安心を手放したくないがゆえに、「別れるつもりだよ」と言ってしまう。
奥さんとはできない性衝動や、恋愛で得られる承認欲求や刺激は家庭では得られない快楽ばかりです。
そんな快楽を手放したくなくて本気でそう思ってないのについ口走ってしまうのかもしれません。
(本人も深く考えず、その場の都合と感情で言っている)
【② 自分でも“嘘だと気づいてない”自己洗脳パターン】
実は一番厄介なのがこのタイプ。
自分で「離婚すると思う」「多分、時間が解決する」と【本気で信じている】。
👉 でもこれは、責任を取らずに済む“逃げの幻想”。
本気で人生を動かす覚悟も行動力もないのに、「選ぶフリ」をして、時間だけが過ぎる。
【③ 相手女性の“承認欲求”を利用して繋ぎとめている】
もっと戦略的な男性の場合、「離婚するって言わないと離れていきそうだな」と計算します。
本気ではないのに、「もう少し待ってて。近々動くから」と言って【希望を匂わせて支配】します。
👉 このパターンは【支配欲/自己都合主義】によるもので、相手を好きでいるというより、「都合のいい存在として繋げておきたい」だけ。
✔️じゃあ本当に離婚する男性はどんな人?
・もうとっくに家庭内で心が切れていて、
・行動も起こしていて(別居・調停など)、
・相手の女性に何を言われようが「俺の人生として選びたい」と決断している
こういう男性は、あまり「離婚するから」と言葉で言いません。
行動がすでに示しているから、言葉に頼る必要がないんです。
【まとめ:彼の問題と、自分の課題は分けて考える】
彼が離婚しない理由は、必ずしも“愛していない”からではありません。
でも、“本気になりきれない”というのは事実です。
そして、その葛藤はあなたの価値とは無関係です。
あなたがすべきなのは、「彼がどうするか」にエネルギーを注ぐことではなく、「自分が何を望んでいるのか」を見つめること。
そして、自分の女性性と男性性のバランスを整えて、“誰かに選ばれる”のではなく、“自分で選べる自分”になること。