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ー ユング心理学と愛着障害から見る執着の正体 ー
なぜ彼は戻ってくるのか?
「別れたのに、なぜ彼はまた戻ってくるの?」
「本当はまだ私のことが好きだから?」
「やっぱり私のことを愛してくれていたのかもしれない」
そう思いたくなるのは自然なこと。
でも、私の実体験と心理学の学びから言えるのは——
戻ってくる理由は“愛”ではなく、“影と恐怖”から来る行動だった、ということです。
彼らは決まって同じようなパターンで復縁を懇願してきますが、結局は自分の心の闇がそうさせているだけで、決して愛情があるからではありません。
この記事では、私の実例を交えながら、ユング心理学と愛着障害の視点から「戻ってくる彼」の心理を丁寧に解き明かしていきます。
実体験:別れても執着してきた元彼
私が過去に付き合った彼は、最初はとても理想的に見えました。
子どもにも優しく接してくれて、まるで父親のように振る舞ってくれた。
「この人となら結婚をしてもいいかも」と思うくらい、子供を愛情いっぱいに可愛がってくれました。
でも、付き合って半年あたりから、違和感が出てきました。
- 帰りがいつも遅い
- 土日関係なく仕事と言って出ていく
- 帰りも10時〜11時まで、なんでそんなに遅いのか聞いたら「道具の手入れや同僚と話してる」など、さまざまな嘘をついていました。
- 一回では連絡が取れず、1時間後とか30分後に電話してくることが多い
こんな違和感があり実際の彼の実態はこうでした↓↓
- ギャンブル依存症なのに「やめた」と嘘をつく
- 休みなしで働いていると言いながら、実際はパチンコ通い
- 給料が15万もない。会社に確認したら「給料は払っているし休みも多い」と言われ、騙されていたと判明
別れを切り出しても出て行かず、警察沙汰になっても家の下で待ち伏せして「よりを戻すまで仕事には行かせない」と軟禁のような状態。
車も取られて送り迎えは「俺が迎えにくるから」と鍵も取られ、逃げ出せない状態になったこともありました。
警察は「鍵を相手が持っていたら盗難にはならない」と取り合ってもらえず「自分たちで解決してくれ」の一点張りで協力してもらえず・・・
こんな時は誰を頼ればいいのか分からずに途方にくれました。
向こうの親は「自分たちの問題でしょ」と自分の息子のすることに干渉はせず。
八方塞がり状態でした。
でも、そこまで執着するわりには、周囲には「自分は被害者」だと私の悪口を言いふらす。
——よりを戻したいと言いながら、どうして悪口を言うのか?
その矛盾が、私にはずっと理解できませんでした。
ユング心理学で見る執着の構造

ユング心理学を学んで見えてきたのは、彼の行動は「好きだから」ではなく、もっと深い無意識から来ているということ。
1. シャドウ(影)の投影
🧠 シャドウの投影を日常感情で読み解く
● シャドウとは何か?
ユングが言う「シャドウ」は、
自分の中にある“認めたくない部分”や“抑圧された感情”のこと。
たとえば彼の場合——
- 弱さ
- 見捨てられる恐怖
- 無力感
- 愛されなかった記憶
- 怒りや悲しみを感じることへの罪悪感
これらを無意識に押し込めていた。
でも、人はシャドウを完全に消すことはできない。
だから、他人に投影してしまう。
● 彼女を失う恐怖=自分の存在が消える恐怖
彼にとってあなたは、
「自分の価値を保ってくれる存在」だった。
だからこそ、別れを切り出されたとき、こう感じた可能性がある:
「彼女がいなくなったら、俺は誰にも必要とされない」
「彼女が離れたら、俺の存在が消える」
「俺はまた“見捨てられる子ども”に戻ってしまう」
この感覚は、愛ではなく“恐怖”からくる執着。
あなたを愛していたというより、あなたを通して“自分の存在”を保っていた。
● なぜ暴力や待ち伏せまでしてしまうのか?
それは、シャドウが暴走した状態。
彼の中で「見捨てられる恐怖」が限界まで膨らむと、
それを止めるために、強引な行動で“つながり”を維持しようとする。
- 家の下で待ち伏せ
- 警察沙汰になっても離れない
- 悪口を言いふらしてでも関係を保とうとする
これらは、愛の表現ではなく、恐怖の発作。
「彼女がいなくなる=自分が消える」という無意識の叫び。
2. アニマの投影(投影)
● 彼にとっての“幻想の母”とは?
彼はあなたに対して、こういう感覚を持っていた可能性がある:
- 「この人なら、俺を受け入れてくれる」
- 「何も言わなくても、わかってくれるはず」
- 「俺の弱さも、怒りも、全部包み込んでくれる」
つまり、あなたを“無条件に癒してくれる存在”として見ていた。
それは、現実のあなたではなく、彼の中にある“理想の女性像”=アニマだった。
● なぜ怒りや攻撃が出てくるの?
でも、実際のあなたは人間だから、当然こうなる:
- 理不尽なことには怒る
- 嘘をつかれたら傷つく
- 自分の感情を守るために距離を取る
このとき、彼の中でこういうズレが起こる:
「なんで受け入れてくれないの?」
「なんで俺を責めるの?」
「こんなはずじゃなかった…」
この“こんなはずじゃなかった”が、怒りや攻撃として噴き出す。
それは、あなたが悪いわけじゃなくて、彼が勝手に理想を投影していたから。
● 「愛していた」のではなく「埋めたかった」
彼の「好き」は、こういう感情だったかもしれない:
- 「この人がいれば、自分の空っぽが埋まる」
- 「この人がいれば、自分の弱さを見なくて済む」
- 「この人がいれば、自分の価値が保てる」
つまり、あなたを“自分の欠落を埋める道具”として必要としていた。
それは愛ではなく、依存や補完だったってこと
3. ペルソナ(仮面)の崩壊
🎭 ペルソナの崩壊を日常感情で読み解く
● ペルソナとは?
ユングが言う「ペルソナ」は、
“社会的にこう見られたい”という仮面のこと。
彼の場合、それは:
- 「いい彼氏」
- 「子どもに優しい男」
- 「責任感のある大人」
つまり、“ちゃんとした人”として見られたい自分だった。
でも実際は:
- 嘘をつく
- ギャンブル依存
- 給料も少なく、生活も不安定
- 被害者意識が強く、責任を取らない
この“現実の自分”と“演じていた仮面”のギャップが、
関係の中でどんどん露呈していく。
● 仮面が崩れると、どうなる?
仮面が崩れそうになると、人はこう感じる:
「バレたら終わりだ」
「本当の自分を見られたくない」
「自分が悪者になるのは耐えられない」
だからこそ、“自分は被害者”という新しい仮面をかぶる。
それが、あなたを加害者に仕立て上げる行動につながる。
- 「あいつが俺のお金を使った」
- 「俺はこんなに頑張ってたのに」
- 「あいつが冷たかったからこうなった」
これは、自分のペルソナが崩れたことへの防衛反応。
本当の自分を見られたくないから、“悪いのは相手”という物語を作る。
● なぜそれが“愛”ではないのか?
愛しているなら、こうなるはず:
- 自分の未熟さを認める
- 相手の痛みに向き合う
- 関係を修復するために努力する
でも彼は、自分を守ることしか考えていなかった。
それは、愛ではなく“自己保身”。
あなたを守るのではなく、自分の仮面を守るためにあなたを傷つけた。
愛着障害から見る「戻ってくる彼」
ユング心理学の“影”と並んで重要なのが、愛着障害の視点です。
愛着スタイルの4分類
- 安定型:愛されること・与えることの両方に安心感がある
- 不安型:相手に過剰に依存し、見捨てられることを恐れる
- 回避型:距離を取りたがり、深い関係を避ける
- 混合型:近づきたいのに怖い。矛盾した行動を取る
彼は典型的な回避型×不安型のミックスタイプ。私も不安型だった。
最初は、「私が追いかける」「逃げる彼」でも、私が愛想を尽かして別れたいと言ったら、
「追いかける彼」と「逃げる私」という愛着のぶつかり合いで、泥沼が生まれていたのです。
「試し行為」の具体例と心理構造
彼が戻ってきた時にしていた行動は、心理学でいう「試し行為」。
これは愛情の有無を確認しようとする無意識の行動です。
具体的にはこんなものがあります:
- 既読スルーされた後に鬼電して「まだ好き?」を試す
- 悪口を言いふらして、相手が怒ってもなおついてきてくれるか試す
- 親からひどい虐待を受けて愛情不足だと言って同情を得る
- 「もう死にたい」と言って心配してくれるか試す
- 家の下で待ち伏せして、会ってくれるかを試す
- 不幸アピールをして愛情を得ようとする
これらはすべて、「見捨てられる不安」によって起こる行動。
愛されているかどうかを、相手の反応で確認しようとする“試し”なのです。
彼の行動をみて女性が揺らいでしまう瞬間
執着される側の女性は、こんなふうに心が揺れます:
- 泣きながら「変わるから」と言われて、少しだけ信じたくなる
- しつこさを「それだけ本気なのかも」と勘違いする
- 「子どもにとってはいい父親だったし」と過去の良い面を思い出す
でもこれは愛ではなく、彼の恐怖と影に巻き込まれているだけ。
「好きだから」ではなく「怖いから」戻ってくる。
ここを見抜かないと、同じループに巻き込まれてしまいます。
そして、私自身が不安型タイプだったこともあり、「本当は愛してくれているはず」と信じたかった。
「彼なら変わってくれるはず」という期待もあったし、自分が都合がいいだけの女と思いたくなくて、それを証明しようとして彼とよりを戻したこともありました。
そして、彼らはヨリが戻らないと分かると手の平を返したように冷たくなったりします。
まるで別人格のように・・・それが彼らの本性です。
安定型との違い:本物の愛とは?
安定型の人は、試し行為をしません。
愛されているかどうかを、相手の反応ではなく、自分の感覚で信じられるからです。
- 話し合いができる
- 相手の感情を尊重できる
- 自分の不安を相手にぶつけずに扱える
- お互いの気持ちを尊重しながら間を取れないか真剣に考えてくれる
- 自分の欠点も理解している
- 話し合いから逃げない
- 冷静に対処してくれる
本物の愛は、相手を試すのではなく、信じることから始まる。
それができない人は、まだ自分の影と向き合えていないのです。
まとめ:執着と愛はまったく違う
彼が戻ってくるのは、あなたを愛しているからではありません。
自分の存在が揺らぐ恐怖を埋めるために戻ってくるのです。
- ユング心理学で言えば、影(シャドウ)の投影
- 愛着理論で言えば、不安型の見捨てられ不安
だから、執着と愛を混同しないこと。
「彼が戻ってきた=愛されてる」ではなく、
「彼が戻ってきた=彼が自分の影に振り回されている」と捉えると本当によりを戻すべきなのかどうかが判断できるようになると思います。