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自分のとった行動で大切な友達や家族、恋人などを傷つけてしまう時ってありますよね。
思わず言ってしまった一言で、相手と仲が悪くなってしまったり、ウケを狙うつもりで言ったブラックジョークが相手には通用しなかったり、など様々な形で言って後悔してしまったことがあるのではないでしょうか。
また、自分の軽はずみな行動で傷つけてしまったなど、人にはそれぞれ後悔する出来事というのがあると思います。
今回はそんな罪悪感の正しい向き合い方を解説していきます。
自分を許せないほど罪悪感を抱くのはなぜ?
自分を許せない程に罪悪感を抱くケースは、大体は大切な人を亡くしてしまった時に起こることが多く、病んでいる友人からの電話を『今は話しを聞いている余裕がない』と無視をしてしまいその友人は自ら命を絶ってしまった。
仕事が忙しく帰省する時間が取れず、親の顔を何年も見ずに亡くなってしまった。
ある人は、冗談のつもりで『事故ったらいいのに』なんて言って見送りをしたら、本当にそうなってしまったなど、あんな事言わなければ良かったと後悔してしまうことが起きた時に人が自分自身が許せなくなってしまいます。
また、それが不可抗力の場合であっても人は自分を責めてしまいます。
その心理的要因は、その人が自分の大切なアイデンティティの一部だったので、自分の一部が欠損してしまったように感じて痛みを伴う心の傷になってしまうんです。
心をエグられたような痛みと悲しみが湧き上がって、理性ではどうにもならない制御不可能な心理状態になってしまいます。
これは《生存者の罪悪感》と呼ばれるもので、自らが手を加えたわけではなくても、何も出来なかったという事実が心を苦しめてしまいます。
自分には非がない分だけ、生存者の罪悪感は厄介なのです。
謝ろうにも謝るべきことがなく、解決すべき対象者がいないまま、罪悪感だけがずっと壊れた警報ベルのようにずっと鳴り続けて心に棲みついてしまいます。
罪悪感が引き起こす症状とは?
1.自分を責め、日々の生活を楽しめなくなる
罪悪感にの様々なレベルがあります。
比較的に軽い時は、後ろめたさが心のどこかに引っかかってしまい、何となくボーっとする時間が増えて、目の前にあるタスクに集中できなくなってしまい、注意散漫になってミスが多くなったりする場合や、その時間の楽しい出来事が楽しめなくなってしまうという症状がでてきます。
症状が重い場合は、罪悪感で頭がいっぱいになり、日常生活に支障がでてきている時です。
また、自分が楽しむことを良しとせず、自分を戒める為にわざと自分が不利になるような発言をしたり、自分の心や身体を傷つけてしまう行為をしてしまいます。
自覚がなくても無意識の自罰行為が出ていることもあります。
※ある研究では罪悪感を感じている参加者に、電気ショックを与えるという実験をした時に、罪悪感がない人と罪悪感がある人では、《受け入れる電気ショックの強さが違う》ということが判明しました。
罪悪感が強い人は、そうではない人に比べて、より強い電気ショックを受け入れてしまうということがこの研究で明らかになりました。
これを日常的な部分で考えるのであれば、罪の意識に苛まれている人は、どんなに過酷な労働環境にいたとしても働き続けることで自分を罰しようとしてしまうのです。
苦痛を感じることで、罪悪感から気を紛いらわせていると考えてもいいのではないでしょうか。
2.人間関係が壊れてしまう
罪悪感を感じてしまう相手とは、関係がギクシャクしてしまいます。
人は後ろめたい気持ちを感じていると、行動が不自然になってしまいます。
なるべく顔を合わせないように、露骨に避けてしまうこともあります。
相手もそれを感じとってしまい、お互いによそよそしくなってしまい、やがては周囲の人との関係性もおかしくなってしまいます。
例えば、お酒の席で失言をしてしまい、相手をひどく傷つけてしまった場合
一度は誤ったとしても、その言われた言葉は相手に強く残ってしまい、以前と態度があからさまに変わってしまった場合、こちらが悪くどうすることもできないので、ただ気まずくなってしまい、お互いに避けて、周囲にいる人達もそんな2人を察して、2人の距離感を配慮しないといけなくなってしまう状況になってしまい周りにも影響を与えてしまいます。
罪悪感の傷を手当てする方法
罪悪感とは悪いことだと認識してしまう人も多いと思いますが、良い面ももっています。
罪悪感は、今後私たちが同じことを繰り返さないようにするために、機能してくれている感情でもあります。
起きた事を悔やむのではなく、そこからどうするか?が大切な鍵になっていきます。
ここからは罪悪感を解消するための方法を解説していきます。
効果的な謝り方を身につける
罪悪感を解消する1番いい方法は相手に謝ることです。
ですが、しっかり謝ったとしても相手が許してくれなかったり、謝ったつもりでも逆に相手を怒らせてしまったなど予期せぬ状態になることもあります。
なので効果的な謝り方を紹介していきます。
謝りかたの基本は『反省・謝罪・お願い』の3ステップです。
反省は、悪かったという気持ちを表明します。
謝罪は、ごめんなさい、すいません。という言葉そのものです。
お願いは、許して下さいと、相手に許しを請うことです。
基本的にはこの3つを心を込めて言えば、大概は許してもらえます。
それに加えて大切なのが、①相手の怒りを認める ②埋め合わせを提案する ③自分の行動が不適切であったことを認める。この3つができると関係修復もスムーズにいくようになります。
一つずつ解説していきます。
相手の怒りを認める
謝罪する時に、相手の怒りを否定すると、和解が上手く進みません。
きちんと相手の怒りを認めてあげることで、相手を尊重するとこにつながります。
ですが、多くの人は謝る時に相手の気持ちを十分に認めようとしません。それをすると火に油を注ぐことになると感じるからです。
『そんなに怒ることじゃないでしょ』という態度をとってしまうと相手は益々怒りが増してしまいます。
相手側からみると『こんなに傷ついてるのに認めてくれない』と感じてしまい『許したくない』と思ってしまうので、きちんと最後まで相手の怒りに寄り添っていきましょう。
怒っている人は、自分の気持ちを理解して欲しくて怒っているので、その気持ちを認めてあげると怒りがすっと消えて冷静に話しを聞いてくれるようになります。
相手の怒りの根本の欲求は『認めて欲しい、共感して欲しい』という感情が隠されているのでそこを理解するだけでも、揉めてしまった相手に対しての正しい対処ができるようになります。
相手の怒りを上手に認めるコツはを解説していきます。
①まずは相手の話を聞く。言いたいことを全部言わせて、情報収集する。
②相手の考えている通りに、状況を理解していると伝える。(相手の認識が少しズレていても一旦は受け入れる)
③その結果として相手が感じている気持ちを、理解していると伝える(自分の意見ではなく相手の気持ちについて話をする)
④相手の感じている気持ちは当然であると認める。
⑤その気持ちに対する心からの共感を伝える。
埋め合わせをする
謝罪をする時に、弁償や埋め合わせを提案するというのはとても効果的なやり方です。
たとえ弁償できないことだったり、その必要がない場合でも、何も言わないよりかは言った方がいいのです。
埋め合わせをする場合は、単に反省するということだけではなく、事態をなんとか改善したいという気持ちを現すことができます。
自分の行動が不適切であったことを認める
あなたに対して怒っている人は、あなたに行動を改善して欲しいと思っています。
『怒っているからとりあえず謝っておこう』ではダメです。
何が悪かったのかを理解し、二度と繰り返さないと約束して欲しいのです。
謝る時は自分の不適切さをきちんと認めることが大切になります。
次に同じことが起こらないように、具体的にどうやっていくのかを提案できれば相手はあなたの誠実な態度に好意をもつと思います。
自分を許す
罪悪感を解消するには、上手に謝って仲直りするのが1番ですが、いつでも相手が許してくれるとは限りません。
相手が根に持ってしまったり、そもそも謝ることが不可能な場合もあります。
そんな時は自分を許すしかありません。
自分を許すという作業はとても大変で、とくに罪悪感が強い場合には中々自分自身を許したいと思えないものです。
そんな時は時間をかけてゆっくりと継続して取り組む必要があります。
自分を許すことができれば心は軽くなり、傷つけた相手と接することも怖くなくなります。
誤解しないで欲しいのは、許すという行為は《自分を甘やかす》ということではありません。
自分がやってしまった出来事を見て見ぬふりをしたら、忘れてしまってまた同じことを繰り返してしまう可能性が高くなります。
その上、自分のしたことから目を背けてしまうと、誠実さに欠けた人だと認識されてしまい、信頼を失ってしまうことにも繋がります。
自分を許すためには、過ちと向き合い、自分がしたことによって相手がどう傷ついてしまったのかを理解して自分の責任を受け入れていきましょう。
最初は心がうずき抵抗を感じるかもしれませんが、過ちから目を背けているうちは、本当の意味で自分を許すことはできません。
自分を許すためにすること
1.自分のやってしまった行動もしくは、やらなかった為に相手が傷ついたことを具体的に書いていく
2.それを見て、他人事だったり責任逃れになっている箇所を修正する。(例えば、あんなに謝ったのにゆるしてくれない)と思っている箇所を(自分では理解できないくらい傷ついたのかもしれない)などに修正する
3.相手がどんな風うに傷ついたのかを具体的に書いてみる。
例えば(会社の飲み会の席で上司の家庭の事情をうっかりみんなの前で話してしまった場合、その上司は社員から変なイメージを持たれてしまい尊厳を失ってしまい、上司のプライドを傷つけてしまった)など、物理的な部分と精神的な部分両方を書いていくと相手の気持ちをより理解しやすくなると思います。
4.以上の文章を読み返して、客観的に捉えらえているのかをチェックする。自分に甘すぎず、厳しいくもない中立的に捉える。
5.自分の行動は弁護できるのか考える。悪意があったのかそれともなかったのか、悪意がなかったのになぜ相手を傷つける結果になってしまったのかを考える。
6.同じ過ちを繰り返さないために何ができるのかを考える。
7.直接相手に償えない場合は、ほかの行動で償えることがあるのか考えてみる。
例えば(忙しくて親に何年も顔を見せていないまま亡くなってしまった場合、もう親はいないので、その代わりにできることは定期的に自分の都合の良い時間を見つけて墓参りに行って、『今こんなことしているよ。』と報告をしてみたりする)など、そうすることで罪悪感が消えていき自分の心が軽くなっていきます。
人生の楽しみを取り戻す
相手に謝ることができない場合(相手が亡くなっている場合など)自分が悪いことをしていない時ほど罪悪感は消しずらく長い間引きずってしまいます。
生存者の罪悪感、別れの罪悪感、裏切りの罪悪感に効果的なやり方を解説していきます。
1.生存者の罪悪感から抜け出す方法
例えば、愛する人を不慮の事故で亡くてしまった場合、病気で家族が亡くなってしまった場合、災害で1人だけ生き残った場合など誰のせいでもなく、もちろん自分が加害者ではない場合に生存者の罪悪感が生まれてしまいます。
そんな時は無理に明るく振る舞うこともせず、まずは悲しみと向き合いましょう。
どうしても自責の念が拭えない場合は、その感情を紙に書いてみましょう。
例えば、病気になってしまった家族がいて自分が代わってあげたいと悔やんで前に進めないとしたら、その気持ちを出し尽くしていきましょう。
『自分が病気になったらよかった。できるなら代わってあげたい。そうすればあんなに辛い思いをせずにすんだのに』など不可能なことだと理解していても、思っていることを紙に書き出していきましょう。
そうして感情を出し尽くした後は、冷静になって考えることができるようになっていきます。
ですが、回復には何年もかかる人もいるし、数ヶ月で立ち直る人もいてそれには個人差が大きいので前向きに考えられるまで自分の感情と向き合ってあげましょう。
回復しているサインとして、愛する人を失って気づいた大切なことが心のそこから出てきたら、もう少しで罪悪感から解放される段階まできているということになります。
例えば、愛する人を事故で亡くしてしまって、打ちひしがれていたけど半年後に『このままじゃダメだ。ちゃんと前を向いて歩いていかないと◯◯も上で悲しんでいるかもしれない』など前向きな考え方に思考がシフトチェンジしていくと、回復するのにそう時間はかからないでしょう。
時間が解決してくれることもありますが、できるだけ早く立ち直るために自分の気持ちに正直になって、その気持ちに寄り添い続けると感情は安定していき、新たな視点で物事が見れるようになっていきます。
まとめ
自分で自分の心を手当をする方法を解説してきましたが、こういうのをやっても改善されない場合や他人や自分自身を傷つけてしまいそうな場合は、迷わず専門家のカウンセラーや病院にいくことをおススメします。
自暴自棄になり、お酒や娯楽などの一時的な快楽に逃げても現実は良くならないばかりか、精神状態は余計に不安定なものになってしまいます。
一時的に苦しくなってしまいますが向き合うことが生きていくうえで、幸せの1番の近道になっていきます。
自分の感情に目を背けず、向き合っていく癖をつけましょう。